1989年3月、ベルリンの壁崩壊前夜ともいえる頃、29歳の私は、当時の西ドイツへ向けて初めての海外一人旅に飛びたちました。
今では当たり前のように一つの大国ドイツとなっていますが、当時の西ドイツも東西冷戦の最前線に存在するまぎれもない一つの国でした。
また、これも今では当たり前のインターネットはまだ夢の世界で、西ドイツについての情報はごくごく限られたものでしたが、降り立ったフランクフルトの地は想像よりもはるかに穏やかで、テロという新たな驚異が世界中に拡散している現在よりも、あの頃のほうが平和だったのではなかったのかとの錯覚を、時々憶えることもあります。
(Apr2020追記:新型コロナウィルスSARS-CoV-2は更に世界を変えましたが・・・。)
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これは、空間計画の仕事にかかわり始めていた頃の私が、二十歳代最後の春、転職で東京から田舎に引っ込む直前の超多忙な残務処理の中、無理を言って長い休暇を会社からもらい、足の向くまま気の向くまま西ドイツ国内を歩き回り、行った先々で撮影した街並みを中心とした写真を見つつ、記憶を呼び戻しながら作った回想録のリメイク版です。
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