平成30年度に入り3カ月が過ぎ、私は水道局2年目の出水期を迎えていました。
宇和島市では、これまでも台風の接近が予想される時を中心に、警報発令前は本庁で災害対策本部会議を開催してきました。
7月6日の金曜日も台風8号と梅雨前線の活動に伴う気象情報が発表されていた関係で、15時から市長以下、外局の私を含めた本部員が集まり情報共有と手順の確認についての本部会議が開催されました。ただ、私を含め本部員に切迫感はあまりありません。これも当然と言えば当然で、宇和島市の降雨予想は特に警戒するレベルではなく、他市で発生しているような豪雨がここで降るとは誰もその時は思っていなかったのですから。決して気の緩みではありませんが、その時の平穏な空気の中では仕方なかったのかもしれません。
私も、妻がその前日に旅行へ出てから最初の週末を迎えるということで、普段の週末以上に家でゆっくりと酒を飲むつもりでした。子供たちが既に宇和島を離れ、その日の家には年老いた母が一人だけ。お気楽な私は取り敢えずのビールに始まり、ワイン、そして大好きなアイリッシュウィスキー…、と、とどまるところを知りません。
警戒感は、その後も天候の変化が無かったことから更に希薄となっていき、そのままおひとり様の夜は更けていったのでした。
ー この記事の原文は水道産業新聞2020年(令和2年)8月31日版(第5437号)に掲載されたものです -
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