時を戻します。8月7日火曜日、発災からちょうど1カ月目はエキサイト気味だった前日とは違った一日にしたいと思っていました。
10時、今治市水道部の矢部部長から電話です。ずっと宇和島の水道支援を続けてくれているので、宇和島の状況は逐一報告が上がって行っていることと思います。また、報道からの情報でも常に宇和島のことを気にかけてくれている矢部部長、頃合いを見計らったこのタイミングでの電話です。用件は二日後に私を訪ねたいとのこと、私には断る理由はありません。逆に嬉しいことです。
この時の宇和島とは逆に、前年今治市は渇水で苦労しました。危機的状況の一歩手前で、台風によってもたらされた降雨が一気にそれを解消したのでしたが、遥か山の上の水神様を徒歩でお参りに行くなど、内容は違うものの苦労をしてきた矢部部長です。やはり苦しい思いをした人だけに、電話も来訪予定日の設定も絶妙のタイミングでした。お待ちしてます、矢部さん!
13時15分、今度はお隣鬼北町の町長からの電話です。音地水源の水利権を持つ鬼北町内の地区への融通申し入れの件は、8月10日以降ならば可能との内諾を地区役員から得たとのことでした。そしてその正式回答にもう少し時間が欲しいと。
三間地域では水質検査の結果を待つのみです。ただ水量が足りなくなる恐れがあります。そのため市長経由で、音地水源の融通申し入れの件は継続依頼中でした。そんな私が鬼北町長にとやかく言う筋合いはありません。再度のお願いをして受話器を置きました。なお、この件を市長に伝えてもらおうと、広宿市長公室長にすぐに電話を入れたのは言うまでもありません。
その市長から約1時間後に電話です。市長から鬼北町長へ電話を入れ、あらためてお願いをしたとのことでした。市長の少しのこの手間が大きな効果を生むのです。その感謝の言葉を伝えると、市長からは別件について言葉が返ってきました。
三間地域の大藤地区にある市営住宅で、水道水が白濁しているとの情報が市長に直接入ってきたそうなのです。こんな私でもそれまでの1年少々で、ある程度の知識は入ってきています。おそらく白濁はエアの混入でしょう。それによって問題は無いことを市長に返答し電話を終えました。
ー この記事の原文は水道産業新聞2021年(令和3年)10月21日版(第5533号)に掲載されたものです ー
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