この日、仙台市水道局の二人には被害の概要を簡単に伝え、早々に自ら確保したという宿で休んでもらうこととしたのでしたが、この夜もうひとつ驚かされる来訪がありました。
20時、松山市公営企業局の管理部、真中副部長が突然来局したのです。
昼過ぎの電話での私の様子を気遣い、日水協県支部幹事会や総会などで同じく顔見知りとなった真中副部長を、私の様子を確認させるため平松公営企業管理者が送り出したのでした。このような非常時、顔見知りが目の前に現れるのは非常に嬉しく心強いものです。
水道局職員A君の肉親の葬儀が終わり感情が峠を越えていたことと、仙台市の二人の到着によって私は落ち着きを取り戻していました。そのため平松管理者の心配は杞憂に終わっていたのですが、この来訪は更に私を含めた水道局職員全体に勇気を与えてくれました。いざという時には松山市が助けるぞという強いメッセージとして。
これで我々宇和島市水道局は、遠くの親戚・近くの他人、いや近くの友人、その双方から力強い支援を受けることと、少しずつ充実してきた資材によって、ヒト・モノの確保が進み、あとは前進あるのみとの気持ちへ切り替わっていったのでした。
ー この記事の原文は水道産業新聞2020年(令和2年)11月30日版(第5458号)に掲載されたものです ー
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