二、(1)愛媛県からのコンタクト

第二章 一歩一歩

 発災8日目の7月14日朝9時40分、公明党市議の皐山さんから問い合わせの電話が入りました。

 内容は、休止中の古井戸を再生したいとの市民の声に、市がポンプ設置への補助制度で応えることはできないかというものでしたが、残念ながら私は聞いたことがありません。私は主管部局と思われる市民環境部の羽村部長へ電話をし、確認が取れたことから、その先は引き継いでもらうこととしました。

 この日は午前11時から南予水道企業団で打ち合わせを行う予定となっていました。愛媛県の水道政策を所管する部が、被害の様子などを聞きに来るということなのです。

 定刻、私は隣接する南予水道企業団の事務所へ向かいました。元々事務局長室だった部屋が今は竹本事務局長の意向で応接室となっているのですが、その部屋に既に県の職員が到着しています。金井部長直々の来訪で、担当局の園木局長・担当課の坂東課長という3名の上層部の方々です。通常は県の部長クラスが市に来ることはありません。水道被害に関する初動ではこれまで顔が見えなかった県でしたが、今後復旧に軸足が移っていくに従って必要度が高まるのがその力です。部長クラスが来るという事は知事の指示か…、などと一瞬頭に浮かんだのですがそんなことはどうでも良い事、この日顔の見える関係となれたのは、その後の支援の第一歩でした。私はまず金井部長の所掌事務外の件について一点働きかけを依頼しました。

 そういえばこの日は土曜日でした。曜日の感覚が麻痺している中、三人のラフな来訪姿で改めて土曜日だと気づかされたのです。

 先週の土曜日に被災し、もう一週間。いや、まだ一週間。よくわからなくなっていました。

ー この記事の原文は水道産業新聞2020年(令和2年)12月10日版(第5461号)に掲載されたものです ー


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