二、(7)厚生労働省水道課(二)~アドバイス~

第二章 一歩一歩

 次に話をした相手は厚労本省リエゾンの江戸本補佐です。正午前に私から相談したのは、応急復旧に際してのボトルネック解消の件でした。

 今後、市内の施工業者が多忙となった際の対策、仮設管の輸送工程短縮策、そして代替浄水施設に必要なポンプの納期前倒し問題、その3点でした。

 助言・回答として、1点目の施工業者の確保については日水協ルートでの自治体職員派遣とセットで依頼するのが最善ということ。また、2点目の仮設管輸送についてはいざとなったら県を通じて自衛隊に依頼する方法があるとのことでした。ただこの二つは、その時点ではまだ大きな問題になっていなかったことから、これは選択肢として覚えておくこととしました。

 最大の問題は3点目です。私は明日の代替浄水施設建設に向け、南予水道企業団が作成した全体会議用資料を事前に入手し目を通していました。どうやらポンプの納期が最大のボトルネックと読み取れます。今回の災害では、西日本の広範囲で浄水場等が水没し、電気・機械系統の故障が多発していることで、納期がかなり苦しいようでした。

 江戸本補佐は、今回大きな被害が出ている呉市の例を私に伝えました。呉市も同様の納期についての問題を抱えていたらしいのですが、厚労本省から直接メーカーにプッシュしたところ休日にもかかわらず現地担当が動いてくれ、短縮が実現したそうです。ただ私が心配せずとも、既に南予水道企業団からは江戸本補佐を通じ、厚労本省へ納期短縮についての後押しを依頼しているとのことでした。我々はその成功を祈るのみです。

ー この記事の原文は水道産業新聞2020年(令和2年)12月21日版(第5464号)に掲載されたものです ー


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