三、(1)宇和島市水道局担当工事の調整

第二章 一歩一歩

 少しずつ代替浄水施設建設に向けた動きが出始めた中、宇和島市水道局も自らの準備を始めました。先ほど江戸本補佐に相談した最初の2点は、まさしくそれに関連しているものです。

 代替浄水施設建設の担当はほとんどが南予水道企業団です。ただ、浄水工程が終了してからの送配水は宇和島市水道局の担当となります。南予水道企業団の工事への抱き合わせで施工を依頼する送水ポンプ以外は、ほぼ既存のシステムを使うことが可能でした。ただ、その送水ポンプから既設送水管までの接続が新たに必要となってきます。特に三間地域では仮設管の敷設が約1・3㌔の区間に及びます。

 いざ代替浄水施設の完成が近づいた時、我々がもしその敷設を終えてなければ笑い者では済みません。そんな恐怖感が少しずつ芽生え始めていたのです。

 14時10分、既に問い合わせをしていた水道管メーカーより仁村へ連絡が入りました。ステンレス仮設管は岡山で在庫を確保できているようです。また幸い輸送に自衛隊の力を借りる必要も無いとのことです。

ー この記事の原文は水道産業新聞2021年(令和3年)1月7日版(第5467号)に掲載されたものです ー


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