7月19日、発災13日目の8時50分、前市長より電話が入りました。自分が紹介した地下水の、その後の検討状況についての確認です。情報をもらって既に6日、実は今日の報道発表が終われば電話をしようと思っていたところでしたが、断水地区を案じ情報をもたらした前市長、やはりどうなっているのか気になっての電話でした。
私は正直に伝えました。地下水の水質は申し分無く、滅菌さえすれば飲用に適していること。ただ、今のマンパワーでは、間もなく発表される抜本的な断水解消策を推し進めるだけしか余裕が無いこと。そしてこの地下水の件はセカンドプランとして、コンサルタントに継続して検討を続けてもらうつもりだということを。
私は前市長の顔をつぶすようなこの回答を詫びるとともに、失礼ついでにひとつ前市長にお願いしました。
順調に建設工事が進んだとしても、断水が解消されるのはまだ一カ月先です。水産業関係者による生活雑用水の供給は進んでいるものの、それが地区まんべんなくというのは無理な事です。そのため地元のことを気遣うC社長に、住民へ向けた生活雑用水ステーションを、その地下水を利用して作ってもらうことはできないか聞いてもらえないかというお願いです。私からの回答を聞き少々気分を害していたようだった前市長は、言いたかった言葉を飲み込み生活雑用水の担当者の連絡先を私に尋ねたのでした。
この一件を担当部長の野際産業経済部長へ内線電話で伝え終わった頃、明るい顔をした仁村が私の部屋へ報告に来ました。顔に喜怒哀楽が出る彼、何か良い知らせでしょう。
やはりそうでした。ポンプの納入が大幅な前倒しで8月1日となり、その4~5日後には代替浄水施設の運転開始が可能となるかもしれないとの連絡が南予水道企業団から入ったようです。
是川砲、再び炸裂!
ー この記事の原文は水道産業新聞2021年(令和3年)2月8日版(第5475号)に掲載されたものです ー
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