四、(5)変わってきた問い合わせ内容

第二章 一歩一歩

 7月20日、発災14日目です。8時20分、東京キー局のニュース番組の関係者から電話が入りました。昨日報道発表した代替浄水施設に関する問い合わせです。概要は回答しましたが、詳細はやはり事業主体の南予水道企業団から回答すべきと考え、竹本事務局長から折り返しの連絡をさせることとしました。

 その件を竹本事務局長へ電話で伝え終え受話器を置くと、またその電話が鳴りました。電話の向こうは公明党市議の竹本さんです。同じ苗字なので間違えそうになりました。危ない危ない。

 民間福祉施設への飲用水配布を打診されましたが、ギリギリの応急給水体制の現状を説明し、応急給水所を利用してもらうようお願いしました。打診の意味は理解できるもののその余裕はありません。どこかで線を引くしか無いのです。

 約1時間後には県の出先機関の上岡部長から電話です。話を聞くと、三間地域代替浄水施設建設予定地の中山池自然公園に隣接する三間町運動公園で、そこを起点とした自転車イベントが9月9日に開催予定らしいのです。そして、その頃の水道水供給と公園の工事使用の見込みが知りたいとのことでした。まだ始まってもない不確定要素が山ほどある工事です。予測は困難と正直にきっぱりと伝えました。そのイベントが不要不急のものかどうか知りませんが、延期等が可能なものは協力してもらえると助かります。

 上岡部長と私は、娘同士が高校サッカーの先輩後輩で、彼女たちが全国大会へ出場した時を頂点に、保護者会で日頃から付き合いが濃かったことで、普通なら見合わせようかという事もある程度聞き合える仲です。そんな上岡部長だからこその問い合わせだったのでしょうが、現状のことを考え何となく申し訳なさそうな口調でした。

 昨日の報道発表から、問合せ内容の幅が広がってきたように感じます。

ー この記事の原文は水道産業新聞2021年(令和3年)2月25日版(第5479号)に掲載されたものです ー


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