夕方17時35分、その南予水道企業団の竹本事務局長から要人の現地視察が数件決まったとの電話が入りました。
7月24日が愛媛県知事、翌25日が愛媛県議会の委員会で詳細は不明、そして26日が某党の党首と三日連続です。被災した吉田浄水場を中心とした視察ですので、運営主体の南予水道企業団単体での対応になりそうです。視察を受ける側としては、貴重な時間を割かれるため大変なのは間違い無いのですが、報道機関の取り上げも相乗効果となって、今後の地域支援のプラスに直結します。ここは企業団に頑張ってもらうしかありません。
この災害では、豪雨が西日本を襲ってからの報道は、倉敷市真備地区を始めとした岡山県・広島県内各地に関するものが多く、愛媛県内、特に宇和島市の報道は非常に少なかったと感じています。ボランティアの集まり方への影響も大きいため、報道各社にはその辺りに配慮をお願いしたかったのがその時の本音でしたが、報道されない部分に光を当ててもらうのも、我々被災最前線の役割であるという事を初めて学ぶことが出来ました。
ちなみにこの災害は海外でも大きく取り上げられたようです。ひょんなことでこの6年前に知り合ったベルギー在住のフランス人の友人から、宇和島の災害映像を見たと、フェイスブックで突然メッセージが入ってきました。彼は日本での生活も長く、日本語を話すのも読むのも書くのも全て堪能です。日本人の知り合いも多いことから伝聞で知ったのかと思いきや、どうやら彼の地のテレビニュースで宇和島の被災状況が流れたとのことです。私も急いで欧米のウェブサイトにアクセスしてみると、フランス・ドイツ・イギリス・USA、どの国の全国紙サイトでもトップ扱いで今回の豪雨災害を取り上げています。宇和島の記事はその時見当たりませんでしたが、倉敷市真備地区の惨状などが大きく掲載されていました。以前は災害・事故時の取材姿勢に批判的な考えも持っていた私は、この災害の経験でその考えを改めたのでした。
ー この記事の原文は水道産業新聞2021年(令和3年)3月15日版(第5483号)に掲載されたものです ー
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