発災24日目の7月30日月曜日、仙台市水道事業管理者の北橋水道局長が来訪する日です。
まず8時45分、市長が直接謝意を伝えたいとのことなので、その場へ案内・同席する私は、最初の待ち合わせ場所とした本庁4階の市長室前で控えていました。約束の時刻の少し前、北橋管理者が随行の総務課津田主幹と到着です。北橋管理者、以前水道産業新聞で見たことがある顔でした。
挨拶ののち名刺交換は後回しにして市長室へ案内します。市長を紹介し応接台を兼ねている協議台へ導きました。市長の表情も心なしかいつもより和らいでいます。やはり馴染みの仙台市からの来客だからなのでしょう。
15分ほど市長からのお礼などで言葉を交わしたのち、次は柿原水道本局の私の部屋に移動です。ここでやっと名刺交換を行い、あらためて私からの謝意を伝えることができました。続いて現状の説明などを行いながらの懇談でしたが、そんな中、北橋管理者が私に言いました。仙台市水道局職員からの見舞金をここで贈呈をしたいと。
私は驚くやら感動するやら、例えようのない感情に包まれ始めましたが、随行の津田主幹による写真撮影の催促に気持ちを切り替え、ここは事務的な笑顔の準備を始めたのです。
私の部屋も市長室同様に応接台は協議台が兼ねています。そこに向かい合った北橋管理者と私、お互いが立って前かがみで握手をし、津田主幹の構えるカメラに向かいます。「握手」、古来の日本には無かったこの習慣が、我々日本人の世界でも一般的になったのは果たしていつの頃からなのでしょう。感染症対策には逆効果ですが、頭を下げるという挨拶には無い素晴らしい習慣ですね。
ー この記事の原文は水道産業新聞2021年(令和3年)6月7日版(第5502号)に掲載されたものです ー
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