五、(7)仙台市(二)~先遣隊到着~

第一章 浄水場喪失

 ザワザワしている19時頃ビックリする来訪がありました。

 明日と言われていた仙台市水道局からの先遣隊が、予定を前倒しして到着したのです。先遣隊は2名、仙台市水道局ナンバー2で水道技術管理者兼務の桜島次長と、給水部給水課トップの皆野課長です。私が描いていた先遣隊のイメージとは真逆で、上層部直々の来訪です。前倒しでの到着と言い人選と言いこのことには本当に驚かされました。

 実はこの時から遡ること2年と2カ月、熊本で大地震が発生して多くの被害が出たとき私は建設部の都市整備課長でした。この時は愛媛県が支援側として被災宅地危険度判定士を派遣しようと、取りまとめ役の県都市計画課から要請が来たのでしたが、実はその時、私は自薦で支援に行こうと考えていたのです。居ても立っても居られない気持ちから生まれたその行動は、上司である建設部長から止められ実現しませんでした。でも、あの時はやはり押し通すべきだったと今は思っています。

 先遣隊には、やはり現場経験の最も深い者が選ばれるべき、この仙台市水道局から派遣された二人からは、それを学ばさせてもらうことができました。何しろアドバイスが的確で、受援側からするとその安心感・安定感はもの凄く大きかったのですから。

 仙台市、東日本大震災で大きな被害を受けた経験があって、初めてそのような的確な支援体制を組むことができるようになったのかもしれません。その後も先遣隊に加え、多くの人的支援を行ってくれました。

ー この記事の原文は水道産業新聞2020年(令和2年)11月30日版(第5458号)に掲載されたものです ー


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