一、(12)水道災害対策本部会議(二)

第三章 一日でも早く

 南予水道企業団と合同で行う水道災害対策本部会議は、予定の16時少し過ぎに開会です。私が準備したA4片面1枚の、ほとんどがメモスペースの進行表に従って。

 出席者は宇和島市水道局からは局長と2名の課長、南予水道企業団の事務局長と浄水課長、松山市公営企業局・仙台市水道局・横浜市水道局、そして厚労本省からのリエゾンで、私の部屋が会場です。控え席も使うとちょうど良いサイズ感でした。

 情報は日頃から概ね伝わっていたと理解していましたので、会議は各担当分野に動きがあった場合の口頭報告や不明点の確認、また担当分野毎の調整をメインに、留意事項をメモシート代わりの進行表に各自控えながら、15分以内に終わらせるという、私が定めた方法・目標をまず私の思いと共に伝えました。そして進行表に従い簡潔な報告が担当から続き20分弱で終了しました。全体での調整は特に必要なかったからか、ほぼ目標時間での終了を達成することができました。

 結局、原則毎日この短時間の災害対策本部会議を続けていったのでしたが、情報共有効果があったのはもちろん、これまで一堂に会する機会がほとんど無く希薄だった横のつながりが改善し、全体の意思疎通を図りやすくなったという点で、短時間ながらも必要十分な会議であったと今でも思っています。

 20時50分という遅い時間帯に市長より電話です。

 夜間にもかかわらず、鬼北町長が早速地元との調整に乗り出したのでしたが、4人の水利権者のうち一人がどうしても了承してくれないとのことでした。この時期は水田にまだまだ水が必要な時期、8月10日までは融通を了承したくない気持ちもわかります。総合的・大局的判断を求めようとしても、水利権者も生き物を育てているのです。残念ですが仕方ありません。

ー この記事の原文は水道産業新聞2021年(令和3年)4月15日版(第5490号)に掲載されたものです ー


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*登場する人物や組織に対する私の意見・感想は、個々の評価を意図したものではありません。また、臨場感を伴わせて全容をお伝えするために人名を記載していますが、文面に対する人それぞれの捉え方に配慮し全て仮名としています。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

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