四、(9)音地水源(四)

第三章 一日でも早く

 

 話を戻します。比較的局外からのコンタクトが無かったこの日、13時25分に市長から電話が入りました。水の融通を依頼している三間音地地区への挨拶の必要性について、意見を求められたのです。市長も遂に見えたゴールに向け、次の一手を打とうとしています。

 昨日の三間地域全域での断水解消で、あとは水質検査に合格すれば融通の必要性は小さくなります。しかもそれは時間の問題です。そのことと共に謝意を音地地区に伝えるのは至極当然の流れです。でも何故だか私は慎重でした。状況を見て改めて市長へ要請するので、少し保留しておいて欲しいと返答しました。

 代替浄水施設からの送配水量はピーク流量の7割程度です。そのピークは間もなく迎えるお盆です。その事が私を慎重にさせていたのか、それとも何かの暗示だったのか…。

ー この記事の原文は水道産業新聞2021年(令和3年)9月27日版(第5527号)に掲載されたものです ー


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