さてこの日夕方までに、被害が甚大な奥白井谷を含む3地区を除き、吉田地域全域で断水が解消されました。大規模な支援によって、予想を遥かに上回るスピードで作業が進んでいるのです。嬉しい誤算、いや、これまで不便を強いていた皆さんの前でそんな言葉など使えません。残り77戸194人の断水解消と、全域の飲用可宣言に向け作業を早めなければなりません。
なおこの日の午前中、同い年の香堂建設部長に電話を入れ、一つ頼みごとをしていました。応援で来てもらっている都市整備課の保利係長、数カ月前まで給水課の施設係長だった彼の派遣期間を延ばせないかという相談です。前水道局長の香堂、二つ返事で了解です。
保利係長の力も借りながら、明日も作業を進めます。
8月8日水曜日、関係者の努力で吉田代替浄水施設からの送配水量が安定してきました。そのため8時35分、私は吉田支所に詰めている中松議会事務局長へ電話を入れました。
支所では、屋外仮設タンクに貯めている生活用水を、支所内の蛇口から直接出すよう改造していました。それを元来の受水槽への接続に戻すことが可能になったことを伝えるためです。
吉田支所のほか市立の学校では、支所同様の改造をしていました。8月4日の通水開始後、それらの施設が一斉に大きな受水槽へ代替浄水施設からの水を取り込み始めると、能力を超えてしまうのは明らかでした。そのため水道局からGOサインを出すまで見合わせてもらっていたのです。元の生活に向け確実なコントロールを続けます。
ー この記事の原文は水道産業新聞2021年(令和3年)10月25日版(第5534号)に掲載されたものです ー
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