15時、耳を疑う知らせが入ってきました。
三間地域の末端給水栓で採水したサンプルの水質検査速報値で、クロロホルムが基準値を超過しているという、誰もが予想だにしなかった知らせです。既に代替浄水施設の出口では全ての基準値を満たしていると、南予水道企業団から情報が伝わってきていたのに。
確定値は翌9日まで待たなければならないのですが、この速報値の持つ重みやクロロホルムが何故末端給水栓で増加したのかについては、給水課長の仁村を含め即座に理解ができない状況でした。
私はこの速報値についての〝速報〟を、副市長に電話で伝えました。検査結果の判明が翌日になるかもしれないことは既に伝達済みですが、水道局のみならず、市長・副市長を始めとした本庁の面々もGOサインを今か今かと待ち続けていましたので。副市長は私へクロロホルム超過の原因について質問したのでしたが、私にその知識はありません。この時の私は『試験結果は何かのエラーで確定値では覆っているだろう』、あるいは『再検査でクリアできるだろう』との淡い期待を抱いていたのが正直なところでした。そのため副市長に対し、あやふやな回答を返したのではなかったかと思います。この甘い考えは、翌朝打ち砕かれることとなったのですが…。
なおこの日は、副市長と断続的に電話での連絡を取り合うこととなります。ただ結局決まったことは、安全宣言までに時間がかかり過ぎる等の報道機関等からの疑念に対しては、安全のために検査を徹底しているという回答で対応するということくらいでした。
ー この記事の原文は水道産業新聞2021年(令和3年)11月1日版(第5536号)に掲載されたものです ー
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