それから約1時間後、日水協の愛媛県・香川県・徳島県・高知県・岡山県の各支部から多くの技術者が柿原水道本局に到着しました。翌日から始まる吉田全域の断水解消作業へ向けての支援隊として、着任してくれたのです。
その中には、岡山県倉敷市の職員もいました。この災害で最も大きな人的被害が出た真備地区を持つ倉敷市です。支援隊を迎えていた被災地が、この宇和島を支援に来てくれたのです。表現しようのない感動がこみ上げてきました。
18時からの本庁災害対策本部会議でこの日の活動状況を報告し帰局、その直後報告が入りました。吉田地域で幹線管路への通水作業を続けていた職員達からです。被害が甚大な白浦地区を除いて幹線の復旧が終わったと。彼らの頑張りと管工事組合の協力のおかげです。
この順調な流れは翌日からの一気の勝負につながっていきました。
翌8月6日の月曜日午前8時、日水協からの支援事業体に県内各市管工事組合の派遣隊を加えた多くの人たちによって、吉田全域の断水解消化作業が開始されました。
目標はお盆前の全域での解消です。その一週間がどれだけ短縮できるのか、この一日でそれが見えてきます。
ー この記事の原文は水道産業新聞2021年(令和3年)9月27日版(第5527号)に掲載されたものです ー
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