この日も副市長とは何度も連絡を取り合いました。この頃になると副市長との連絡は、音声通話以外はラインです。米国ホワイトハウスで、某大統領補佐官が私的な電子メールを公用で使っていたことが一時大きな問題となったようでしたが。さて、それはさておき12時15分、私は次のような報告をしています。
「状況報告です。吉田中組の濁度検査は、まだ付近の濁水処理中のため、採水に至っていません。午後も処理を続けますが、まだ採水できるかどうかは不透明です。三間は、時間差をおいて3回行う必要のあるホルムアルデヒド(→クロロホルムの間違い)試験において、2回目までが不合格のため、おそらく今日は駄目と思われます。南水が追加設置した活性炭槽の効果が末端で現れ始めるのが、今日と推測されますので、午後採水して、試験に回します。それと、南水の後次亜装置は明日設置との情報をもらいました。また、多重防御策として、水道局の各配水池に後次亜装置を設置するよう、追加検討しています。なお、吉田先行に合わせ配布できるよう、三間の状況説明資料は、現在作成中です」
実はこの時、吉田の中組地区では濁水が発生していました。既にそれ以外の全項目で水質検査に合格していたため、吉田地域先行での飲用制限解除に向け濁水処理を急いでいたのです。
また、見通しが暗い三間地域においては、既に南予水道企業団は活性炭槽を設置済みだったため、私はその効果に望みを託していた様子が文面に表れています。
音声でのやり取りは時間とともに記憶から消えてきますが、文章でのやり取りは工夫次第でいつまでも残ります。少し手間はかかりますが、大切なことなのかもしれません。音声と文章、時と場合によって上手く使い分ける必要があります。
ー この記事の原文は水道産業新聞2021年(令和3年)12月2日版(第5543号)に掲載されたものです ー
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*登場する人物や組織に対する私の意見・感想は、個々の評価を意図したものではありません。また、臨場感を伴わせて全容をお伝えするために人名を記載していますが、文面に対する人それぞれの捉え方に配慮し全て仮名としています。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
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